イベントレポートEVENT REPORT

無菌調剤・実務指導研修会(太陽薬局集合研修)を行いました !

 

太陽薬局としての在宅医療に対する取組みとして、先日外部講師をお招きして研修会(在宅における薬剤管理指導の取組み,訪問薬剤師の心構え,多職種(医師,訪問看護士,ケアマネ、など)連携,介護保険について,訪問事例など)を行いましたが、皆さんから多くの反響,より実践的な研修を望む声もあり、今回の無菌調剤室・実務指導研修会を企画しました。

在宅医療においては、輸液や経腸栄養,抗がん剤調整などの知識,実務経験も必要ですが、通常の外来での薬局業務では経験することが少ないので、この度太陽薬局として福岡市薬剤師会薬局七隈店の無菌調剤室を利用して、主に下記事項を目的としたた実務指導研修を行いました。

① 輸液の種類や適応を理解する
② 基本的な無菌操作の技術取得
③ 高カロリー輸液の調整の実践
④ 代表的な禁忌・相互作用・配合変化についての理解
⑤ 抗がん剤調製の理解
 

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福岡市薬剤師会薬局七隈店の井手先生に、丁寧にご講義,調剤・調整指導をしていただきました・・・☟

❶感染予防の面より、手洗い・帽子・マスク・ガウン・手袋などの装着や一連の準備・流れについて

栄養管理の方法として、経腸栄養法,経静脈栄養法があり、そのなかで中心静脈栄養法(Total Parenteral Nutrition:TPN)について、その適応や留意点などご指導いただいた。 

❸ 高カロリー輸液の調整の実践,注射シリンジと針の取り扱い,アンプル製剤・バイアル製剤の取り扱い,基本液への混合注射製剤調剤の流れなどについて

代表的な禁忌・相互作用・配合変化などについて(メイラード反応など)

 

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皆さん、真剣な表情で調整しています・・・☟

病院勤務経験者や6年制卒の実務実習経験者は、久しぶりの注射剤や輸液の扱いに懐かしがっている方も・・・ 

薬局勤務経験しかない方は、新鮮な気持ちで,緊張感ある心持で取組んでいました・・・ 誤って針を指に刺してしまった方も・・・|д゚)

 

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今回14名の参加でしたが、経験や店舗を考慮して4グループに分けて、協力しながら助け合って和気あいあいと調剤・調整を行っていました。 珍しいガウン衣でポーズ・・・(*‘ω‘ *)


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❺クリーンベンチと安全キャビネットについて、実際にそれぞれの調製室にて調剤体験をさせていただきました!

★クリーンベンチ:装置内の薬剤などを清浄空間で取り扱うことが目的です。外部から吸気し、その空気を浄化して装置内部に送り込みます。装置内は陽圧となります。 → TPN 輸液の混合

★安全キャビネット:内側にある薬剤などの外側への漏洩を防ぎます。作業者の安全を図ることが目的です。なおかつ薬剤などを清浄空間で取り扱うこともできます。装置の中が陰圧になるように空気を吸気し,この空気はフ ィルターを通してろ過され,外に排気するように作られています。 → 抗癌剤の混合

 

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★研修会受講後の反響報告です ☟

無菌操作において、準備する段階から、どの領域が衛生面で、どの領域が不衛生面であるかを意識しながら、すべての工程を行っていくことの重要性を改めて確認できました。自分自身が被曝しないようにすること、また、患者さんが必要以上に被曝しないようにすることを意識しておかなければ、無菌操作の手順を理解できないと思いました。 また、バイアル製剤の調整において、バイアル内を陰圧に保つことなど、慣れが必要な操作ではあるが、実際に体験できて良かったと思います。

基礎の基礎、手洗い、帽子・マスク・エプロン・手袋のつけ方等から教えていただき、実際の調剤例を基に、実物を使っての実習だったため貴重な経験となりました。針の刺し方、薬液を吸引する方法、ポイント等を口で説明していただくだけでなく、自分の手で経験することでより理解が深まりました。患者さん・自分も含めて輸液や抗がん剤に関わる全ての取扱者を守るために、正確かつ丁寧な操作を心がけなければと感じました。

実際には在宅で輸液を取り扱う機会は少ないかもしれませんが、在宅の一員となり、他職種のスタッフと連携・対等に意見交換するためにも必要な内容だと思います。また、手技の取得だけでなく、輸液の種類や鑑査の仕方、計算の仕方、配合変化等の知識もしっかりと学んでいきたいです。

〇クリーンベンチや注射器などを使うのはかなり久しぶりで実際に使うことができてかなり良かった。実際に混合などをすることによって、自分がどれ位出来るのかが実感できてかなり貴重な研修になったと思います。 その中で、ある薬剤師の方が不慣れで指を針で刺してしまったことや、混合する際の注射器の扱い針の位置や押すタイミング、力の入れ方など気づかされる事が沢山ありました。 ただ、この一回だけでは実際に処方が来て調剤することになった時にまだ自信がありませんが、会営薬局さんが協力していただけるようなので、かなり心強く感じました。

〇以前に病院勤務があったとはいえ正しい手技を習い、手技一つ一つの意味を伺えたのでとても良かった。 久しぶりの実技実習で学生に戻った気分で楽しい学びの時間でした。 注射の配合変化のことは、今現在考えるタイミングは無いので思い出す作業としても、きっかけになりました。 今後、業務で必要な時が来ても経験は力になると感じています。

今後、在宅医療が普及していく中、院内の薬剤部だけでなく、街中にある調剤薬局でも無菌調剤が推進していくと考えられる。調剤業務も第五世代と言われ、その業務の1つである在宅調剤は、無菌調剤を調製する機会が多く見られる。患者への正しい薬剤の選択をし、服薬指導を行う前に、きちんとした調製を行う必要がある。そのためには、薬剤師が、正しい調製方法や医療従事者を含めた抗がん剤からの曝露を防ぐための安全対策を学ぶべきであり、本日の勉強会で学んだことを、今後活かしていきたい。

〇無菌調剤について勉強会をして頂き学生の時に学んでいた事を思い出して新たなことを学ぶことができました。 様々な器具に触れる事ができ、用途や作業時間、またコストなどを考えて使うことも大事であると考えました。 また、針刺し事故や抗がん剤等の調剤の際は自分や周りの人を守るためにも、正しい手順で作業していかなければならないと、改めて感じました。

薬局では関わらないだろうと思っていた無菌調剤を久々に行って、実習での無菌調剤の感覚を思い出すことができました。実習では抗がん剤の調剤ばかりおこなっていたので、アミノ酸製剤はむしろ新鮮でした。薬局で無菌調剤をどうやってするのか最初不思議に思っていましたが、安全キャビネットなど無菌室が薬局内にあるということに驚き、設備を薬局内にそろえることで在宅での抗がん剤などの治療が可能になるイメージが理解できました。

注射剤等普段扱わない調剤業務が体験できた。クリーンベンチと安全キャビネットの違いを確認し、実際に入って調剤体験できた。現段階では実際に処方がくることは少ないようだが、在宅時のTPNなどの対応もしていくことができるよう基礎を学べてよかったと思います。

調剤薬局ばかりで勤務していると、どうしても輸液や注射剤などには疎くなってしまうため、今回のような機会は非常に勉強になりました。また、ひとつひとつの手順を丁寧に説明していただきながら各自で実際に体験でき、内容も非常に充実しており、とても有意義な時間で、実感しやすく分かりやすかったです。

輸液の調剤や無菌操作など経験したことがなかったので、このような処方せんを受けたとき「どうしようか」と言う不安項目の一つでした。完全にマスターしたわけではありませんが、不安の解消にはなりました。 無菌操作の技術を取得するには、数をこなさないと難しいですが、注射器の液をアンプルに注入するときは押すのではなく、注射器を引いて陰圧を利用して注入するとか、また、アンプルの液を注射器に戻すときは、注射器の空気を抜きながら行なうなど、一度は経験しておくべきことがいろいろありました。

今回初めて参加しましたが、①清潔面に対してガウンから手袋の装着の一連の準備・流れに関して,②バイアルの製剤に対して陰圧にしての調剤のやり方に関して,③TPN TDNなどの現状の把握に関して等などいろいろと勉強になりました。

 

太陽薬局ではこういった全社員対象の集合研修会を継続的に行うことで、いつどのような状況でも素早く誠意ある対応ができるように心掛けています。